コーチからの講評(2日目)
2日目午後のコーチセッションを終え、各コーチが6チームをそれぞれ回って感じたことを話しました。
「ミニマム」ではなく「マキシマム」だなぁという感じ
土井佳彦さん
NPO法人多文化共生リソースセンター東海 代表理事
MVPの「M」が、「ミニマム」ではなく「マキシマム」だなぁという感じ。3〜5年後に出来ているといいなぁっていうものがたくさんあったので、全体の理想のなかでの「第一歩はここです」みたいなミニマムさでやってもらえるといいかなぁって思います。
あと「これがあると助かる」という人が必ず一人はいるぞ、ってなるような顧客開発がいいかなって思いました。
でもすみません、僕はこれをずっと専門にやっているNPOなんですが、皆さんのアイデアを全部パクりたいと思いました(笑)。
ビジネスになるっていうことは、補助金が止まっても持続可能になること
岩嵜博論さん
博報堂ブランドイノベーションデザイン局ストラテジックプラニングディレクター
スタートアップって未来のことですよね。アラン・ケイっていう人の「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」という言葉があります。予測なんでしてないで、未来はこうなるんじゃないかと思ったらそれを作ればいいんじゃないか。
皆さんがやられることって、まさに未来を作られているということだと思うんですけど、その方向はすごくどれもワクワクする方向だと思うんです。いま立脚されているところってどれも間違えてないなと思ったし、どれもうまくやればすごく最終的にもワクワクするものになるだろうなって思いました。
あとは、グループによってそれぞれ得手・不得手があるのが現状だなぁと思いました。あるグループは「見てる問題のポイントはすごいシャープになっている、けれども、その出口の作り方というかビジネスへの展開のしかたは更に検討が必要」。そんなグループもあれば「ビジネスはすごくうまくいきそう、けれども、本当にその問題の捉え方がそのスコープでいいのか」っていうグループもあるなぁって思いました。
前者の場合、ビジネスにするっていうことは「大儲けしようぜ」っていうことじゃなくて、サスティナブルにする、つまり持続可能にするっていうことに挑戦することだと思うんですよ。非営利で補助金をベースにした活動っていうのはもちろん意義があることですけれども、ビジネスになるっていうことは、補助金が止まっても持続可能になる。それを欲しいと思っている人が、ずっとそれを使ってくれるベースができるっていうことだから。すごい意義があることなんで、ぜひビジネスに仕立てあげていただきたい。
後者の場合、問題はそれで合っているのかどうか。結構難しいんですけど、そこがビジネスにおいて一番大事だと思うんです、で、一瞬良さそうな問題のスコープでも、やっぱりズレてることって多いんです。最初の一歩がズレてると、その最後出来るものってずっとズレたままになっちゃうんですよね。なので「その問題点の捉え方って合ってるの?」っていうのは、常に終わりまで自問自答されてもいいんじゃないかなって思いました。引き続き頑張ってください。
常に先を見て、他とは違う強みというのをつくる
箕浦淳さん
IM(インキュベーションマネージャー)
ここまで議論を進められているというのは、実は Startup Weekend に初めて来させてもらってるんで、非常にビックリしてます。皆さんの事業に対する思いとか、学生なんかでもそういうのをするんですけど、やっぱりレベルが違いますね。
皆さんが考えられているそれぞれ素晴らしいモデルが多くあります。ただ、皆さんがされてるモデルでぜひ「ウチがやってるのはコレが違うんだ」という強みというのを、最大限に生かしていただきたいと思います。もう数日前のことが古いって言われるような時代で、常に先を見て、他とは違う強みというのをつくらないと、絶対ビジネスでは負けるので。皆さんはそこをいかにとんがって自分の技術・サービス・製品というのはここが素晴らしいんだよっていうのを、胸を張って言えるようなものを、是非この3日間で作っていただければと思います。